ヘッドフォンに興味を持つ者なら誰もが憧れるΩ2。 1998年の発売以来、長期間に渡り最高峰のヘッドフォンとして市場に君臨している。
一般的なヘッドフォンとは発音原理が異なり、専用のアンプが必要となる。 現行機種ではSRM-727A(半導体タイプ)とSRM-007tA(真空管タイプ)の2種類が存在する。 私の場合はSRM-727Aを購入したので、ここでのレビューはSRM-727Aとの組み合わせによるものとする。
装着感は良好。イヤーパットを回転させることができ、各々の耳にフィットするよう調整ができる。 本体の重量自体はやや重めだが、頭頂部から耳にかけての接触面積が広いこともあり、 ほとんど重さを感じず、数時間に渡るリスニングでも不快感を感じない。 難点としては、髪形の乱れが大きいことと、夏場はかなり蒸れること。
これまで聴いてきたヘッドフォンの中でも、別格ともいえるスケール感。 バランスはフラット〜やや低域寄りで、解像度、高域・低域の伸び共に最高クラス。 ただ性能が高いだけでなく音楽性の豊かさ、音の心地良さも兼ね備えている。 基本的には原音重視タイプだが、よく“音が濡れている”と表現されるように、 コンデンサー型特有の音の艶やかさ、透明感を有している。 ただ、ドライバーユニットの影響もあってか、やや余韻が物足りなく感じることがある。
音場は非常に広い。開放感も抜群で閉塞感を感じない。 特にクラシックにおいては、空間表現力の高さからコンサートホールの空気感を存分に味わえ、 会場の広さまでもを計り知ることができる。 音色も実際の演奏会場で聴くそれと違いなく、目を閉じればまるでコンサートホールで演奏を聴いているかのような錯覚に陥る。
得意ジャンルはクラシック。このジャンルにおいては、おそらく右に出るモデルは他にはないだろう。 逆にその他のジャンルでは、性能が高い分ソツなくこなすのだが、クラシックほどしっくりは来ないと感じた。
これまで長らくヘッドフォンの頂点として君臨してきたΩ2だが、近年のダイナミック型の優秀な機種では Ω2と並ぶ性能を持ったモデルが登場してきている。私が聴いてきた中では、EDITION9、GS1000、ATH-L3000あたりは Ω2と同レベルの基本性能を有していると感じた。音の透明感ではこれらの機種はΩ2に敵わないが、 密度感のあるベース音やヘッドフォンでありながら胸にズシリと響いてくるようなスネアの音など、音の実体感の面では Ω2を上回っていると感じる部分がある。必ずしもコンデンサー型が優れているといった時代は終焉したようだ。