
十数年に渡る生産を終了した名器、MDR-CD3000の後継にあたるヘッドフォン。 しかし、外観、音作りともに全く別の機種となっている。
デザインは奇抜で、いい意味で「ソニーらしさ」を感じる。 下位機種のSA1000、SA3000のような作りの安っぽさは感じない。 装着感はなかなか良く、長時間の着用も問題ない。夏場の蒸れも比較的少なそうだ。 付属品のヘッドフォンスタンドもシンプルながらなかなか良い感じで、 この辺の配慮にも好感が持てる。
音の傾向はやや高域寄り。 解像度は極めて高く、HD650やHP-DX1000と比較しても一歩リードしていると感じた。 ER-4Sのスケールを大きくしたような「正確な音」で、音の立ち上がりが早く、一つ一つの音がきちんと整理されている。 音への味付けは少なく、ソースの録音状態の良し悪しの差がはっきりと現れる。 mp3では音の薄さが気になるが、その反面SACDでは高品位メディアの魅力である音の濃密さを 十二分に堪能できる。SA5000でSACDを聴いたあとは、一般のCDですら「音が薄っぺらい」と感じるほどだ。 ただ、モニター的な性質が強い分あっさりしすぎている印象もあるので、 m902のような締まった音を出すアンプよりも、真空管アンプやP-1、HA2002等の緩めの音を奏でるタイプの アンプと組み合わせたほうが良いかもしれない。 音場はそこそこ広いが、HD650と比べると少し狭い。 音の抜けはまずまず良い。
得意ジャンルは小編成クラシック、ダンスミュージック、女性ヴォーカル等。 男性ヴォーカルにはそれほど魅力を感じないが、トーンの高い女性ヴォーカルでは 高域の充実感が圧倒的で、艶やかでダイナミックな歌声に圧倒される。神がかり的だとさえ思う。 私は基本的に低域重視の音を好むが、このヘッドフォンにより高域重視のヘッドフォンの魅力を初めて感じることができた。
K501とキャラクターがかぶるような印象を持つが、ほぼ全てのファクターにおいて SA5000のほうが勝っている。(値段が倍以上違うので当然といえば当然の結果だが・・・) 高域重視の音作りという点ではCD3000と似ているが、質感ではSA5000が大きく勝っている。 ただ、CD3000にはCD3000でしか味わえない独特の音場があるので、必ずしもSA5000のほうがCD3000より 良いと言い切ることはできない。
美しい高域を堪能したい方にはこのヘッドフォンを強くお勧めしたい。