
GS1000が発売されるまで、長らくGRADOのリファレンスモデルとしてラインナップされてきたが、 GS1000発売以降も販売が継続されており、根強い人気を誇る。 個人的に、所有ヘッドフォンの中で最も気に入っているモデルだ。
他のGRADOヘッドフォン同様(GS1000除く)、イガイガのイヤーパットを耳に乗せるタイプだが、 ハウジングの材質が木材の為かなり重量が軽く、蒸れも少なく個人的には快適な装着感に思える。 ただ、数時間装着していると流石に耳が痛くなってくる。
SR-225やSR-325iとは方向性の違う音質。 解像度は前述2機種と大差ないが、質感の面で大きな差を感じることができる。 木のぬくもりが伝わってくるような、暖かみのある音だ。 再生帯域については、PS-1やHD650と比較すると、高域の伸び、低域の沈み込み共にやや物足りない。
エージングにより、どんどん音が変化していくのも大きな特徴だ。 購入当初はSR-225等と同じように硬めの音を鳴らすが、 使い込むにつれ、次第にまろやかで艶やかな音へと変化する。
基本性能は他の同価格帯ヘッドフォンと比較すると一歩劣る印象があるが、 RS-1は他のヘッドフォンにはない独特の魅力を有している。特に女性ヴォーカルにおいては非常に魅力的で、 思わず音楽に没頭してしまう。音を聴き分けるのもオーディオの魅力だが、“音を楽しむ”という音楽の本質的な目的から言えば、 このモデルは間違えなくトップクラスの能力を有していると断言できる。
値段が高く個性的なモデル故に、初めてのGRADOヘッドフォンとして購入するにはお勧めしづらい。 下位機種でもGRADOサウンドは十分に味わえるので、 まずはGRADOサウンドを体感した上でRS-1を検討することを勧める。
もはや語るまでもないだろう装着感の悪さはRS-1でも健在です。 1時間もしないうちに耳がヒリヒリと痛くなってきます。耳が痛くて音楽に集中できなくなってしまいます。 ヘッドアームを台形にするとかなり装着感が改善されます。自分の頭の形に合わせてグイグイ変形しましょう。
音のバランスはドンシャリ。低音がしっかり出ているな、というのが第一印象です。 個人的には少し低音過多ではありますが、ロック系を聞く時にはこれぐらいのほうが適度だと感じます。 SR325が締まったキレのある低音なら、RS-1はぶっとく柔らかさのある低音。 スピード感のSR325、安定感のRS-1といったところでしょうか。 ロックでは重心が低くリズム隊がドシっと安定します。 高音は繊細さよりもGRADOらしい刺激のある音のほうに耳がいきます。 ギターの音などは僅かにエッジが効いてて刺激的。中〜高域は低音に埋もれることなくよく聞こえます。 特別解像度等を含む基本性能が高いとは思いませんが、SR325には感じられない「空気感」の再現ができているのが特徴です。 そのため、RS-1もGRADO特有の直接的な音の聞かせ方ではあるものの、直接具合が緩和され、 非常に聞きやすくなっているように感じます。 そして、RS-1の最大の特徴はエージングの進行により艶っぽい音に変化していくことでしょう。 かなり劇的に変化していきます。丸く滑らかな音に艶っぽさが乗り、特にVoは魅力的に聞かせてくれます。 女性ヴォーカルにおいては、なめらかさ、まろやかさ、艶やかさと、 元来持っているGRADOサウンドである明るく明快な音の融合で、心地良く元気の良い女性Voを聞くことができます。 音場は狭く、音数が増えてくるとゴチャゴチャ感を感じますが、それぞれの楽器の音はしっかり分離している点や、 音の抜けの良さは流石GRADOといったところでしょう。
得意ジャンルはロック、ロックテイストなポップス、メタル、ハードロックもいけます。 打ち込みより断然生楽器による演奏のほうが向いています。 ソースによっては、狭苦しさや高音の刺激、痛さ、不快感を感じる(特に打ち込みによる高域)ので、 他のヘッドフォンと使い分ける必要があると思います。
価格が高いのと、オールジャンルに対応不可、装着感が悪いなどの欠点から、 初めての高級ヘッドフォンとして購入するのはオススメしませんが、 私の場合、所有機の中では相当好きな部類に入る音作りです。 艶やかさは年々増していくようなので、長期に渡るエージングの楽しみもある機種です。