
生産終了となったソニーの高級ヘッドフォン。 2004年頃は、ATH-W1000と並び「密閉型の雄」と呼ばれ、その評価は生産完了となった今でも高い。 現在、このヘッドフォンを手に入れるにはオークションや中古ショップを利用するしかない。 ちょっとしたプレミア現象が発生していて、新品クラスのCD3000は定価以上の高値で取引されている。
大きなハウジングが印象的。ヘッドフォン本体のデザインは無骨だが、 付属の収納ケースはしっかりとした作りで、なかなかの高級感を演出している。 耳へのフィット感はなかなか良いが、首を動かすとずれてくる。あと、夏場はかなり蒸れる。
なんといってもこのヘッドフォンの最大の特徴は、大きなハウジングが作り出す広大な音場。 開放型のような音抜けはないが、この音場は唯一無二のもの。 普通の密閉型ヘッドフォンより遠方にハウジングの壁が存在している印象だ。 この音場により、まるでCD3000というコンサートホールの中で音楽が演奏されている感覚に陥る。 これは特にライヴ音源において顕著で、CD3000ならではのコンサートホールの質感を再現する。
音色に目新しさはなく、味付けのないストレートな音。 Fレンジや透明感といった点では、他の同価格帯ヘッドフォンに一歩劣る。 低域は締まりのあるタイトな音で、量感はそこそこ。 若干中高域重視の鳴り方で、ソースによってはサ行が耳につくこともあるが、バランスは良い。
得意ジャンルはポップスを中心にオールジャンル。中高域重視の為、ヴォーカルが適度に強調されて聴きやすい。 低域もタイトで躍動感があり、特に90年代のJ-POPをこのヘッドフォンで聴くと味わいがある。 クラシックにおいても、広大な音場と鮮明なサウンドが非常に心地よい。
なんといっても「広大な音場」。CD3000を表現するには、この一言に尽きる。
惜しまれながら生産終了となったSONYの名ヘッドフォン「MDR-CD3000」である。密閉型。 現在入手は困難で、オークションも定価前後の値がつくこともありコストパフォーマンスは良くない。 専用のケースが付属していて保管には大変重宝する。 本体ではハウジングが目立ち、他のヘッドホンに類を見ないかなり巨大なものとなっている。
装着感はそこそこ良い。ヘッドパットもふくよかで肌触りも心地よい。 しかし重く、側圧も強くない。その為動きながらリスニングするにはズレてしまい、適さない。 落ち着いて音楽を聴く分にはあまり問題ないだろう。音漏れはあまりない。 尚、イヤーパットやヘッドバンド等の消耗品部分が 他のヘッドホンよりも早いスパンで交換せねばならないらしく、注意が必要だ。 ケーブルは布巻き。 プラグは3.5φステレオミニプラグで、6.5φステレオ標準プラグはねじ込み式となっている。
エージングに関しては、100時間程必要だ。 エージング前の音は非常に中高域がキツく強調され「サ行」やスネア・シンバル等の パーカッションが耳に痛いほどだ。しかしエージングをすれば滑らかになる。
音は明るくフラットで大変音場が広く、立体的だ。解像度も非常に高い。 中高域が若干強調され気味だが、低域も不足ない。ヴォーカルが割とハッキリ聴こえる。 ハウジングが巨大な為、音に奥行きが出て耳元で鳴っている感じがしない。 また独特のわずかな響きというか余韻がある。ソースによってはこの響きが大変心地よい。 そして前述した音場は、私が所持している他の機種では勝るものはないほど広大で CD3000の大きなアドバンテージだ。 これらを纏めると、肉雄氏の言う「CD3000というコンサートホールで・・・」 というのは、まさに的を射た表現なのである。
全体的に、装着感を抜きにすれば聴き疲れしない音だ。 ヴォーカルがハッキリ聴こえるという利点によりポップス、 音場が広いという利点によりクラシック、ライブ音楽に向いている。 しかしその他のジャンルもそつなく鳴らせると思う。
余談だがMDR-CD3000には日本製と中国製があり、私は両方持っている。あなたのCD3000はどちらだろう?